「動物好き」─本当ですか?犬や猫だけでなく牛や豚も食べていませんか?

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「動物好き」動物が好き、という人々へ、ヴィーガンが問う、動物たちの集合写真

あなたの「動物好き」は、本当にすべての命へ向けられていますか?

「私、動物が大好きなんです」「動物好きなんですよね」、そう話される人は少なくありません。愛する犬や猫を慈しむ姿、SNSに投稿される愛らしいペットの姿は、現代社会における動物との豊かな関係性を示しているように見えます。しかし、私たちは今一度、立ち止まって問いかけるべきかもしれません。

「あなたが“好き”だと言うその動物は、一体誰のことですか?」

もし、「動物好き」と話しながら、食卓に並ぶ牛や豚、鶏、魚を平然と「いただきます」と食べているとしたら、それは真の意味で「動物が好き」と言えるのでしょうか?
動物を食べている皆様にとっては、本当は気づいていて、心のどこかで、いつも動物との関わり方に漠然とした違和感を抱いているのではないでしょうか。

「動物好き」の定義とは?〜犬や猫だけが動物ではない〜

まず明確にしたいのは、「動物好き」という言葉が持つ意味の広さです。多くの人は、犬や猫、ウサギ、ハムスターといった身近なペットに親しみを感じ、それを「動物好き」と表現しがちです。確かに、これらの動物たちとの繋がりは非常に個人的で、かけがえのない大切な関係性であることは疑いようがありません。しかし、「動物」という広大な概念は、本来、はるかに多種多様な生命を包含しています。

例えば、スーパーマーケットで目にする牛肉や豚肉、鶏肉となる家畜動物。食卓に並ぶ魚介類。あるいは、人の労働を助ける馬やロバ、動物園やサーカスで見かける野生動物、そして森で暮らすシカやイノシシといった野生生物まで、これらすべてが動物です。「動物が好き」と語るのであれば、これらの命すべてに敬意を払い、愛することが前提になければ、その言葉は真の意味と矛盾してしまいます。私たち一人ひとりの価値観で考え直してもいいのかもしれません。

動物を食べながら「動物好き」と言う矛盾

具体的な場面を想像してみましょう。

  • 猫を心から溺愛し、「うちの子が一番かわいい」と言いながら、夕食には鶏の唐揚げを食べている。
  • 動物愛護団体に寄付をする一方で、昼食に牛丼、夕食に豚の生姜焼きを食べる。
  • 「動物は家族同然の存在」と語りながら、魚介類を食べている。

これらは、多くの人にとって「当たり前の行動」かもしれません。しかし、ここには明確な選別が存在します。「この動物は愛すべき存在」「あの動物は食べていい存在」、無意識のうちに、私たちは命の価値に優劣をつけてしまっているのです。この選別は、私たちの心に「差別の感覚」という矛盾を残してしまいます。方法を一緒に探してみることも、優しさのひとつではないでしょうか。

動物が好きと言いながら、犬と猫は可愛がり、ヴィーガンのように全ての動物をかわいがることは無く、牛豚鶏を食べる人の写真

家畜は「動物ではない」?〜感情を持つ存在としての牛や豚や鶏〜

「私たちが食べる牛や豚は、ただの食料でしょ?」「食べられるために生まれてきたんだから」「そもそも、牛や豚に人間のような感情なんてないでしょ」そう考えている人も、現代社会には決して少なくありません。しかし、近年飛躍的に進歩している動物行動学や神経科学の研究は、こうした認識が誤りであることを明確に示しています。牛も豚も鶏も、私たち人間と驚くほど共通の感情を持ち合わせていることが、科学的に次々と明らかにされているのです。彼らもまた、喜びや不安、恐怖、そして深い愛情を感じる能力を持っています。

  • は、群れの中で仲間同士で非常に強い絆を築きます。親しい仲間や家族と引き離されると、人間と同じように深く悲しむ様子を見せ、実際にストレスホルモンの上昇も確認されています。
  • は、犬よりも高い知能を持つとも言われ、その認知能力や問題解決能力は非常に優れています。喜びや興奮、恐怖など、非常に豊かな感情表現をすることで知られています。
  • は、親鳥が雛に対し、まるで話しかけるかのように様々な鳴き声を使い分け、家族としての強い意識を持っています。群れの中での社会性も高く、複雑なコミュニケーションを取ることが分かっています。

つまり、私たちが日々の食卓で「当たり前のように食べている存在」も、人間と同じように感じ、苦しみ、そして喜ぶことができる、生きた、感情豊かな存在なのです。彼らは単なる肉の塊でも、生産される商品でもありません。

「かわいい」と「おいしい」が両立する世界?

ここで、私たちは非常に大きな、そして目を背けたくなるような矛盾と向き合うことになります。なぜ、私たちは家庭で飼われている犬や猫を心から「かわいい」と愛でることができるのに、全く同じように感情を持ち、苦しむことができる豚や鶏を「おいしい」という一言で片付けてしまえるのでしょうか?この矛盾は、決して私たち個人の心の善悪だけによるものではありません。そこには、私たちの文化、教育、そして社会全体のシステムが深く関わっています。

現代の消費社会において、動物たちは「感情を持つ生命」としてではなく、効率的に生産・流通される「商品」として扱われてきました。スーパーマーケットの店頭に並ぶ加工された肉は、もはや元の動物の面影をほとんどとどめていません。そこにあるのは、個体の顔も名前もなく、ただ「パック詰めされた食品」としての姿です。この抽象化された存在を見る時、私たちはそれがかつて、生きた、感情豊かな命であったという事実を認識しにくくなります。しかし、そのお肉一つ一つは、たしかに生きていた命です。「かわいい」と愛されることも、「苦しい」と声を上げることもできないまま、人間によってその命を絶たれ、解体され、最終的に私たちの食卓に食材として並べられているのです。このプロセスに、私たちはどこまで意識的であるべきでしょうか。

本当の「動物好き」とは?

では、真の意味で「動物が好き」と胸を張って言える人とは、一体どのような人を指すのでしょうか?私は、それは「動物をその種類や用途によって区別することなく、地球上に存在するすべての命に対し、深い敬意を払うことができる人」であると考えます。

具体的には、以下のような態度や行動が挙げられるでしょう。

  • 家庭で共に暮らすペットとしての動物だけでなく、食肉として飼育される畜産動物や、漁獲される水産動物にも、同じ目線で思いを馳せ、彼らの存在と苦痛に心を寄せることができる人。
  • 私たちが命を消費するという行為が、どのような背景を持ち、どのような影響を与えているのかに対し、決して無関心でいない人。知ろうと努め、考えようとする姿勢を持つ人。
  • たとえ、現状すべての動物を救うことや、動物性食品を完全に排除することが困難であったとしても、彼らの苦しみを少しでも減らすための選択を、意識的に、そして継続的に実践しようと努める人。

動物性食品を一切口にしないヴィーガンや、肉や魚介類を避けるベジタリアンになることは、その一つの非常に明確な実践方法です。しかし、完璧なヴィーガンでなければ「本当の動物好き」ではない、というわけではありません。例えば、週に一度でも動物性食品を減らす「ミートフリー(ミートレス)・マンデー」のような取り組みから始めることで、私たちと動物、そして環境との関係性は、少しずつ、しかし確実に良い方向へと変化していくでしょう。大切なのは、無関心をやめ、意識的に選択するという姿勢なのです。す。しかし、完璧なヴィーガンでなくとも、例えば週に一度動物性食品を減らす「ミートレス(ミートフリー)・マンデー」のような取り組みからでも、動物との関係性は確実に変化していきます。

「動物好き」という言葉の本当の重み

「動物好き」という言葉は、現代社会において、時に軽々しく、あるいは表面的な意味合いで使われがちです。しかし、その言葉の奥底には、本来、非常に重く、そして計り知れないほど美しい意味合いが込められています。なぜなら、動物は私たち人間と同じように、この地球という唯一無二の場所で共に生きる命であり、喜びや痛み、恐怖や愛情といった複雑な感情を、私たちと変わらず感じることができる存在だからです。

  • 心から動物が好きであるならば、私たちは苦しむ動物を少しでも減らしたいと願うはずです。
  • 心から動物が好きであるならば、一つ一つの命を最大限に大切にしたいと考えるはずです。

もしあなたが、このような純粋な気持ちを心のどこかに持っているのなら、たとえ今日、完璧な行動ができていなくても、その気持ちこそが「本当の動物好き」へと向かうための、かけがえのない最初の一歩となるでしょう。その一歩が、あなたの人生、そして社会全体に、より深い倫理観と慈しみの心をもたらす可能性を秘めているのです。璧な実践ができなくとも、「本当の動物好き」への一歩を既に踏み出していると言えるでしょう。前のように食べている存在」も、人間と同様に感じ、苦しみ、そして喜ぶことができる命なのです。

ヴィーガンであれば誰もが全ての動物を愛する。動物達の集合写真

犬や猫のための食事としてヴィーガンペットフードも多数あります

実際、多くのペット(特に犬や猫)は、飼い主から動物性食品を与えられています。
魚を食べる。肉を食べる。缶詰の裏に「チキン」「ツナ」「ビーフ」と記されている、その一つひとつの言葉の背後には、命があり、痛みがあり、誰かの絶望があります。

あなたが“ペット”と呼ぶ存在の食事のために、他の動物が命を奪われる。
それでも「私は動物が好きです」と言えるでしょうか?

ヴィーガンの人々が、犬さんや猫さんに喜んでもらうために選んでいる、ヴィーガン植物性ペットフード。

・取り扱いブランド「Benevo」
・取り扱いブランド「marpet」
・取り扱いブランド「Ami」
その他、多数。
例:楽天市場:ドッグフード ヴィーガン

まとめ:あなたは、動物が“誰”なのか知っていますか?

「動物好き」とは、単なる個人的な好みや趣味の範疇を超えたものです。それは、命に対するあなたの態度そのものであり、現代社会との関わり方、そしてあなた自身の倫理観を映し出す鏡でもあります。ペットとして愛する動物だけでなく、食卓に上る動物たちにも思いを馳せること。目を背けたくなるような現実にも、静かに向き合ってみること。その一つ一つの行為が、「本当の意味での動物好き」へと繋がっていくのだと私たちは信じています。

SNSのタイムラインに次々と流れてくる愛らしいペットたちの写真や動画は、現代社会における動物との温かく、そして個人的な関係性が深く根付いていることを明確に示し、見る方々に癒しを差し上げていることと思いますし、また、テレビなどでも動物好きの方が見たくなる番組もあり、動物=牛、豚、鶏、等々はその中に入ることがないことに違和感のような気付きが生まれているかもしれません。

あなたが今日、「動物が好き」と語るとき、その言葉にはどのような意味が込められているでしょうか?

ヴィーガンは、全ての動物の尊厳を守る写真

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