ヴィーガンのはじめ方:簡単に始めるヴィーガン

ヴィーガンになるきっかけは、人それぞれです。難なく進めることができる人もいれば、戸惑いを持つ人もおられます。これまで、周りの人が食べていたものを見習って食べる習慣がついてきたように思います。食に関する本を読んだことがきっかけで始まり、そのヴィーガンになる過程の中で、鳥インフルエンザなどで殺処分されていく鶏のニュースなどに違和感と不快感を覚え、牛がお肉に加工されるまでの過程、とさつ場で起こっていることを本や動画で目を逸らさずに見たことでした。他人事から自分事に切り替える時のふんぎり、自分がやってみないと分からないことが多々あります。

ヴィーガンは何を食べないか、その先に、何を食べるの。動物性食品のまったく無い食卓を想像することは難しいかもしれませんが、動物を食べないといけないことを意味するものではありませんでした。

そして、ヴィーガンのはじめ方の実践で、革製品、ウール、シルク、羽毛製品、ゼラチン、動物実験により生まれた化粧品など、新しく購入する際には、動物性不使用にすることを心がけました。

「ミートフリーマンデー」週1回の取り組みから、何日動物性の食品を食べないで満足できるか試しながら、1年近くかけて、ヴィーガンにたどり着きました。

初めてヴィーガンになる際には、以下のポイントを押さえておくとスムーズに移行できます。

(※ 畜産業・漁業をはじめ、動物関連の職業で働く人が決して悪いわけではなく、他の産業への就業をシフトしていける環境と選択肢を用意することは重要な課題と考えています。詳しくは企業理念をご覧ください。)

ヴィーガンの食事の考え方

1.食事から動物性食品を摂取しないようにすることから、ヴィーガンのはじめ方は始まりますが、全く難しいことではありません。

2.食肉や魚介、卵、乳製品、はちみつの代わりに、穀類(お米、パン・麺・麩、そば、雑穀など)野菜、芋、果物、豆類、大豆加工品(大豆ミートを含む)全粒穀物、きのこ、ナッツ、海藻などの植物性食品を、徐々に増やしていきます。

・牛乳・乳製品の代わりに・・・豆乳・アーモンドミルク、豆乳ヨーグルト、植物性チーズ、乳不使用マーガリン、ココナッツミルク、ニュートリショナルイーストなど

・卵の代わりに・・・豆腐
豆腐を使って、スクランブル豆腐やヴィーガンタマゴサンドなどができます。

・たんぱく源は・・・大豆製品、大豆ミート、お麩

・魚介の代わりは・・・アボカド、ゆば、刺身こんにゃく、おからこんにゃく、ヴィーガン練り製品

・はちみつの代わり・・・メープルシロップ・シロップ

・ゼラチンの代わり・・・寒天・アガー・ゲル化剤

3.ヴィーガンの第1歩として、朝食とおやつから始めるのは、比較的取り組みやすいです。

栄養バランス

栄養バランスを確保するために、必要なビタミンやミネラルの摂取に気をつけましょう。

・特に、ビタミンB12は、植物性食品だけでは不足しがちです。

ビタミンB12
・豆類、ナッツ、種子、大豆製品から摂取。グルテンミート。
・ビタミンB12はヴィーガン食には含まれないため、サプリメントやシリアル植物性ミルクから摂取することを検討します。簡単に手に入るサプリメントや強化食品を利用することをおすすめします。

鉄分
・レンズ豆、豆類、全粒穀物、ほうれん草、ケールなどに含まれます。
・ビタミンCを一緒に摂ることで吸収率が上がります。

カルシウム
・植物性ミルク、豆腐、アーモンドなどに含まれます。

オメガ3脂肪酸
・チアシード、亜麻仁、クルミ、ヘンプシードなどに含まれます。
・DHA・EPAを含む藻類由来サプリメントが良いとされてもいます。

朝食からヴィーガン


ヴィーガンの朝食の選択肢は豊富で、健康的なライフスタイルをサポートするのに最適です。ヴィーガンの朝食には多くの美味しくて健康的な選択肢があります。以下にいくつかのアイデアを紹介します。

・和食 ご飯、味噌汁、納豆や和惣菜、お漬物

ひじきの煮物、切り干し大根の煮物、金平ごぼう、白和え、卯の花、高野の煮物、かぼちゃの煮物、煮豆、煮びたし、ごま和えなどは、動物性のものを使用しなくても美味しく作ることができます。

白米を5分つき米や麦ごはん、雑穀米、お赤飯などにすることで微量栄養素をとることができます。炊き込みご飯もヴィーガン仕様にするのは簡単です。佃煮やお味噌は動物性のものが含まれないものを選びます。

・洋食 パン、豆腐スクランブルや野菜サラダ、野菜炒め、ミネストローネ、フルーツ、コーヒーor紅茶or豆乳やアーモンドミルク

バケット、ドライフルーツやナッツを使ったハード系のパン、アレルギー対応向けのパンなどで動物性不使用のものを探します。お気に入りのジャムやピーナッツバターをつけたり、あんぱん、シナモントーストなどにアレンジしたりするのも良いです。

・中華 中華がゆ、春雨スープや豆乳スープ、ザーサイ

飲茶・点心など、台湾の素食が参考になります。舞茸おこわもおすすめです。

・その他

・グラノーラ、コーンフレーク

・オートミール
植物性ミルク(アーモンドミルクや豆乳)と一緒に煮て、お好みのフルーツやナッツ、シナモンを加えると、美味しく栄養満点の一品が完成します。

・スムージー
バナナ、ベリー類、ほうれん草、アーモンドバター、植物性ミルクをブレンダーで混ぜるだけで、ビタミンやミネラルが豊富な朝食が出来上がります。

・アサイーボウル
アサイー、バナナ、ベリー、アーモンドミルクをブレンドしてボウルに入れ、グラノーラ、ナッツ、ココナッツフレーク、フルーツをトッピング。

・豆乳ヨーグルトとフルーツ
豆乳ヨーグルトにバナナやベリー、グラノーラ、ナッツをトッピング。

・トースト
・アボカドトースト: 全粒粉パンにアボカドを塗り、塩、胡椒、チリフレークを振りかける。
・ピーナッツバタートースト: 全粒粉パンにピーナッツバターを塗り、バナナやリンゴのスライスを乗せる。

ヴィーガンでなくても取り入れたいほど美味しく、栄養価が高いものばかりです。ライフスタイルに合ったヴィーガンレシピを試し、日常生活に取り入れ、健康的なヴィーガンライフを楽しんでください。

おやつもヴィーガン

ヴィーガンのおやつも決して難しくありません。市販のもので、和菓子、洋菓子問わず、いろいろなヴィーガンフレンドリーなお菓子を探すことができますので、下記もぜひ参考にされてください。以下にいくつかのアイデアを紹介します。バリエーションを楽しみながら、さらにヴィーガンライフスタイルは、健康だけでなく、環境や動物福祉にも配慮した選択です。

・グラノーラバー
オーツ麦、ドライフルーツ、ナッツ、シードなどの健康的な材料を組み合わせたもので、エネルギーを補給するのに最適で手軽に栄養を摂取できます。ココナッツフレーク、チョコチップを加えた糖分の補給で頭の回転も良くなります。ピーナッツバターやシナモンを利用することで風味豊かなフレーバーが楽しめます。

・エネルギーボール
ナッツ、シード、ドライフルーツ、オートミール、そして時にはプロテインパウダーなどの健康的な食材を組み合わせて作られます。満腹感を得るために最適です。特に、運動前や運動後のおやつとして利用されることが多く、忙しい日常の中でのエネルギー補給にも最適です。自宅で簡単に作ることができ、好きな食材、例えば、ダークチョコレートやアーモンドバターとを加えたものなどバリエーションは無限大です。グルテンフリーやヴィーガン対応のレシピも多く、食事制限がある人にも対応可能。

・ナッツとドライフルーツ
アーモンド、クルミ、カシューナッツ、ドライベリーなどをミックスします。

・野菜スティック
パプリカ、セロリ、ニンジン、キュウリなどをスティック状に切って、ひよこ豆のディップにつけます。

動物性食品をやめる順番

結果的に、ヴィーガンのはじめ方として、私の場合・・・
「牛乳をやめる→卵をやめる→牛肉をやめる→鶏肉をやめる→豚肉をやめる→魚をやめる」となりました。

自分にとって、代わりになるものが見つけやすいものからやめていきます。これにより、食生活は炭水化物やナッツ類が増えていきました。米油やエキストラバージンオリーブオイルなど、油を使ってコクをだします。大豆ミートを食べるのは時々で、サラダばかり食べているわけでもありません。

大豆ミートを使う時は、茹でて絞ってアク抜きが重要です。また、きのこやピーマン、玉ねぎ、トマトなどの野菜と合わせ、香味野菜、スパイスやハーブを上手に取り入れることで大豆ミートのクセを取り除き、料理することができます。

ブロックタイプはから揚げに、ミンチタイプはピーマンの肉詰めや麻婆豆腐、コロッケに、フィレタイプはソースかつや鉄板焼きに、使い分けます。カレーライスやお好み焼き、パスタやラーメン、ピザなど、大豆ミートを使わずにおいしく作ることができます。

餃子や春巻、厚揚げの甘酢あんかけ(酢豚風)、チリソース、野菜の天ぷら、グリル、蒸し物、ちらしずし、稲荷寿司、田舎巻、細巻など、手作りすると、いろいろな料理を楽しめます。

市販のプラントベース食品から、試してみるのも良いですね。

家族や友人との付き合いについて

家族や友人にヴィーガンになることを告げ、理解と協力を求めると、孤立感を感じにくくなります。

コミュニティとサポート


1.オンラインでつながる
・ヴィーガンフォーラムやソSNSで他のヴィーガンとつながり、情報を得る事で、継続が楽にできるようになります。

2.地元の活動に参加
・地元のヴィーガンレストランや「ヴィーガンフェス」などのイベントに参加することで、同じ志を持つ人々との交流を深めることができます。

参考文献

国内外の各種機関の情報や、科学的文献等によって、ヴィーガンの始め方、ヴィーガニズムをどのように生活に取り入れるか、具体的な方法やアドバイスを提供しています。お肉を食べる人達にも、不足しがちなビタミンはあり、それをサプリ等で摂ることで、健康に感じたり、植物性のものばかり食べる人にも、不足しがちなビタミンがあり、それをサプリで補うことで、健康でいることができるといわれています。

🍀 日本では、和食文化との親和性を重視し、段階的な移行や日常生活に無理なく取り入れる方法を提案されています。日本の食材や外食文化に適したヴィーガンライフの導入方法が紹介されており、実践しやすい内容が特徴です。

・日本の食文化に合わせたアプローチ:
和食をベースにしたヴィーガン食の導入が重視されています。味噌、醤油、昆布だしなど、日本の伝統的な調味料や食材を活用したレシピが紹介され、無理なくヴィーガニズムを始める方法が提案されています。

・日常生活への取り入れ方:
日本では、ヴィーガン食材の入手がまだ限られている地域も多いため、近隣のスーパーで手に入る食材や、通販を利用したヴィーガン食品の購入方法が紹介されています。また、外食時のメニュー選びや、家族や友人と食事をする際の対応策についてもアドバイスが提供されています。

・段階的な移行:
ヴィーガン生活を始める際に、いきなりすべての動物性食品を排除するのではなく、少しずつ段階的に移行する方法が推奨されています。たとえば、まずは肉を減らし、その後に乳製品や卵を除くといったステップを踏むことで、無理なくヴィーガンライフを始められるようサポートしています。

🍀 海外の文献では、ヴィーガニズムを包括的なライフスタイルとして捉え、食事から生活全般にわたる実践方法が提供されています。科学的な根拠に基づく栄養情報や、グローバルな視点からのアドバイスが豊富に含まれており、初心者向けのステップバイステップガイドも多く見られます。

・グローバルな視点からのアドバイス:
ヴィーガニズムをライフスタイルとして包括的に導入する方法が紹介されています。これは食事だけでなく、衣類や化粧品などの生活全般にわたって動物由来の製品を排除するアプローチを含んでいます。また、ヴィーガンコミュニティに参加することで、サポートや情報を得る方法も強調されています。

・栄養と健康に関する情報:
海外では、ヴィーガン食が健康に与える影響に関するエビデンスが豊富に提供されており、必要な栄養素を確保するための具体的なガイドラインが多く見られます。ビタミンB12、鉄、カルシウムなどの栄養素を補うためのサプリメントの使用や、栄養バランスを保つための食事計画が詳細に説明されています。

・ステップバイステップのガイド:
多くの海外の文献では、ヴィーガンライフを始めるためのステップバイステップガイドが提供されています。これには、最初に取り組むべき簡単なレシピから、動物性食品を徐々に排除するためのスケジュール、日常生活での実践的なアドバイスが含まれます。また、心理的な準備や動機付けを維持するための方法も紹介されています。

🍀主な文献
書籍:The Vegan Starter Kit: Everything You Need to Know About Plant-Based Eating, Neal D. Barnard(2018)
書籍:How to Go Vegan: The Why, the How, and Everything You Need to Make Going Vegan Easy, Veganuary(2017)
書籍:Vegan for Life: Everything You Need to Know to Be Healthy and Fit on a Plant-Based Diet, Jack Norris and Virginia Messina(2011)

これらを通じて、ヴィーガンライフを始めるための具体的な方法や、文化や生活習慣に応じたアプローチを学ぶことができます。

最後に

ヴィーガン生活、ヴィーガンのはじめ方は全く難しくはありません。カレーにお肉を入れない、動物性のルーを使わない、こんなことで、今まで食べてきたラーメンでも、家でスープを作る時に、ポン酢と塩こしょう、ごま油を使うことと、麺に卵が含まれていないかの確認だけで、普段の食事と全く変わることなくヴィーガン生活ができます。ヴィーガン生活を始めることは、健康や環境、動物福祉に対する意識を高めるすばらしい一歩です。

また、ヴィーガンコミュニティに参加し、経験を共有することで、モチベーションを維持しやすくなります。ヴィーガンライフスタイルは個人の選択であり、その過程で得られる喜びや満足感は計り知れません。

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