
ヴィーガンでも、お酒を楽しむことはできます。
しかし、食品と違って見落とされやすいのが、製造工程で使われる成分です。
ヴィーガンでも飲めるお酒はあるのか、気になる方も多いかもしれません。
結論から言うと、ヴィーガンでも飲めるお酒はあります。ただし、製造工程によっては動物由来成分が使われることがあるため、選び方が重要になります。
ビールやワイン、日本酒などの一部では、見た目を澄ませたり風味を整えたりするために、「清澄(せいちょう)」という工程が行われます。この際に、動物由来の成分が使われることがあります。
これらは最終製品に残らないことも多く、原材料表示に記載されない場合もあるため、一見すると植物由来に見えるお酒でも、製造工程まで含めるとヴィーガンに適さない可能性があります。
一方で近年は、製造工程にも配慮したお酒や、ヴィーガン認証を取得した製品も増えてきました。お酒もまた、楽しみながらやさしい選択を取り入れられるもののひとつです。
※製造方法や原材料は変更されることがあるため、購入時は公式情報をご確認ください。
ヴィーガンという考え方について詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。
→ ヴィーガンとは?

お酒と動物性成分の関係
清澄とは?
お酒の製造工程で、酵母やタンパク質などのにごりの原因となる成分を取り除き、透明度や品質を整える作業のことです。
- 英語:fining(ファイニング)
- フランス語:collage(コラージュ)
一部の生産者は、自然な風味を重視してあえて「無清澄」という製法を選ぶこともあります。
動物由来の清澄剤
以下のような成分が使われることがあります。
- アイシングラス(魚の浮き袋由来)
- ゼラチン(牛・豚由来)
- カゼイン(乳由来)
- 卵白(アルブミン)
非動物性の清澄剤
動物性以外で、一般的な清澄剤がいくつかあります。
- ベントナイト(粘土鉱物)
- 活性炭
- PVPP(ポリビニルポリピロリドン)
- 植物由来セルロース
- 柿渋

国内ビールメーカーへの問い合わせ(要約)
ヴィーガンスタートでは、2025年4月、国内大手メーカーに対し、製造工程における動物性成分の使用について直接問い合わせを行いました。
質問内容
ビールの製造工程で動物性のものは使われていますか。もし、使っていない製品があれば教えてください。また、ビール以外のアルコール飲料で、動物性のものを使用していない製品があれば、あわせて教えてください。
※以下は各社からの回答内容の要約です。
サッポロビール ビールテイスト製品は動物由来清澄剤不使用
ビールテイスト製品について、アイシングラスは使用しておらず、アイシングラス以外の動物由来清澄剤も使用していないとの回答でした。
ただし、ヴィーガン認証を取得しているビールテイスト製品はないとのことです。
また、ワインではヴィーガン認証を取得している商品があるとの回答がありました。

また、私どもでこの認証をいただいているワインは、現在以下のとおりでございます。
①タリケ クラシック
②タリケ ロゼ
③タリケ ソーヴィニヨン
④タリケ シャルドネ
⑤タリケ コーテ
⑥タリケ レゼルヴ
⑦タリケ プルミエール・グリヴェ
⑧パラ・ヒメネス カベルネ・ソーヴィニヨン[オーガニック]
⑨パラ・ヒメネス シャルドネ[オーガニック]
⑩パラ・ヒメネス カベルネ・ソーヴィニヨン樽熟成[オーガニック]
⑪パラ・ヒメネス シャルドネ樽熟成[オーガニック]
輸入元であるワイナリーにて、自社認証のヴィーガンマークを貼付している商品は以下のとおりでございます。
⑫[イエローテイル]カベルネ・ソーヴィニョン
⑬[イエローテイル]シラーズ
⑭[イエローテイル]メルロー
⑮[イエローテイル]ピノ・ノワール
⑯[イエローテイル]モスカート
⑰[イエローテイル]ピンク・モスカート
⑱[イエローテイル]バブルス・ドライ
サントリー ビール及び新ジャンル製品は原料としても製造工程においても動物性不使用
ビールおよび新ジャンル製品には、原料としても製造工程においても動物性のものは使用していないとの回答でした。
ただし、すべての原料を遡って確認することが難しいため、「ヴィーガン対応」として明言はできないとのことでした。
キリンビール
ヴィーガン/ベジタリアン対応として案内できる商品はないとの回答でした。
原料に動物性のものを使用していない商品でも、最終製品に動物由来成分が一切含まれない保証はできないとのことです。
アサヒビール
製造に関する内容については回答できず、ヴィーガンをうたった商品は製造していないとの回答でした。
いただきましたご連絡の内容につきましては、関係部署に伝えさせていただきます。私どもといたしましても、たくさんの皆様に喜んでいただける商品のご提案に、更なる努力を重ねて参りたいと存じますとのことでした。
ビール
ビールの主原料は、麦芽、ホップ、水、酵母ですが、製造工程や一部の副原料に注意が必要です。クラフトビールなどでは、蜂蜜や乳糖を使った銘柄もあります。

選び方のポイント
- ヴィーガン認証を確認
- 原材料(蜂蜜・乳糖など)を確認
- 無濾過・無清澄を参考にする
- メーカーの情報を確認
日本ビール 赤濁(あかにごり)/有機農法富士ビール/オーガニックビール
日本ビールは、ベジプロジェクトジャパンによるヴィーガン認証を受けている製品があります。
よなよなの里 よなよなエール/インドの青鬼/水曜日のネコ/僕ビール君ビール/裏通りのドンダバダ
よなよなの里のクラフトビールについて、公式サイトの「このビールってヴィーガン?」ヴィーガンの方向けのクラフトビール情報をまとめましたのページをご確認ください。

オリオンビール オリオンビールは動物由来清澄剤不使用
公式サイトで、ろ過に珪藻土を使用していることが案内されています。

ゲニス・ブルーイング(Genys Brewing) タトゥーラガー
タトゥーラガーは、無ろ過製法のオーガニック認証ビールとして紹介されています。

ブリュードッグ(BrewDog) パンクIPA/ヘイジー・ジェーン/エルビス・ジュース
ヴィーガン認証を取得している銘柄があります。
ただし一部には乳糖やはちみつ使用の商品もあるため、銘柄ごとの確認が必要です。

ワイン
ワインは、清澄工程で動物由来成分が使われることがあるため、特に注意が必要なジャンルです。

選び方のポイント
- ヴィーガン認証を確認
- 無濾過・無清澄(Non-Fining)を参考にする
- 生産者情報を見る
※オーガニック=ヴィーガンではありません
ボデガス・ネレマン(スペイン)
ネレマン(Neleman)は、貴重で完璧なテロワールの香りと風味を余すところなく反映したオーガニック農法&ヴィーガン認証を受けています。
エミリアーナ・インディゴ(チリ)
エミリアーナ・インディゴは、オーガニック&ヴィーガン認証のワインです。
エコ・バランス(チリ)
エミリアーナのエコ・バランスは、コスパがいい、オーガニック&ヴィーガン認証のワインです。
サッポロビール ドメーヌ・タリケ(フランス)

サッポロビール パラ・ヒメネス(スペイン)

サッポロビール イエローテイル(オーストラリア)

サントリー フォルタン ガイア オーガニック(フランス)
フォルタン ガイア オーガニックは、ヴィーガンの方にもお楽しみいただけるよう、ワインを清澄する際に非動物性由来素材を使用しています。
ドメーヌヒデ Vegan ヴィーガン~完全な菜食~
自然農法で育てた葡萄を、自然酵母で醸したヴィーガン赤ワインです。月の引力と大地の力を活かし、栽培者と醸造家が力を合わせて仕上げられています。
製造方法は変更が起こることもあるため、購入時ごとの確認がおすすめです。
日本酒
日本酒は基本的に米・水・麹で作られます。かつては、より自然な形で清澄が行われており、必ずしも動物性のものに限定されていたわけではありません。しかし、効率性や透明度の追求から、ゼラチンなどが用いられるようになりました。

選び方のポイント
- ヴィーガン認証の有無を確認
- 無濾過表示を参考にする
- 酒蔵の情報確認
南部美人 特別純米酒/純米大吟醸 心白 山田錦/糖類無添加梅酒
岩手県の南部美人は、世界初のヴィーガン認証を取得した日本酒があります。 プレスリリース|PR TIMES

永井酒造 MIZUBASHO PURE/水芭蕉 純米大吟醸 翠/MIZUBASHO 雪ほたか Awa Sake/水芭蕉 雪ほたか 純米大吟醸
群馬県の永井酒造の4銘柄にて、ヴィーガン認証を取得しました。日本酒でのヴィーガン認証は、岩手県・南部美人に次いで全国2番目です。SAKETIMES日本酒専門WEBメディア
旭酒造 獺祭 磨き その先へ/獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分/獺祭 純米大吟醸 磨き三割九分/獺祭 純米大吟醸45/獺祭スパークリング45」
旭酒造の主要5製品が、2020年にThe Vegan Societyよりヴィーガン認証を取得しています。 asahishuzo.ne.jp
神戸酒心館 福寿 特別純米コウノトリ育むお米コシヒカリ
特別純米コウノトリ育むお米コシヒカリ:神戸酒心館のこの製品は、ヴィーガン認証を取得しています。 神戸酒心館

渡辺酒造店 蓬莱純米吟醸家伝手造り、上撰/色おとこ/飛騨のどぶ/W(ダブリュー
渡辺酒造店の5種類の日本酒が、2021年にヴィーガン認証を取得し、海外輸出拡大を目指しています。 記事掲載数No.1 プレスリリース配信サービス

田中酒造店 真鶴(まなつる)純米大吟醸(紫)、純米吟醸(緑)、生もと純米大吟醸
田中酒造店の真鶴 純米大吟醸(紫)、真鶴 純米吟醸(緑)、真鶴 生もと純米大吟醸、田林 純米大吟醸
田林 純米吟醸、TANAKA39 純米大吟醸、TANAKA39 純米吟醸は、2021年にヴィーガン認証を取得しています。 記事掲載数No.1 プレスリリース配信サービス
矢尾本店 秩父錦純米吟醸
秩父錦純米吟醸をベジプロジェクトジャパンから「ヴィーガン認定」をいただきました。
蒸留酒
蒸留酒は製造工程上、動物性成分が使われる可能性は低いとされています。主な原料は穀物、芋、果実、さとうきびなどで、基本的には植物由来です。
ただし、フレーバー付き商品やリキュール、後から甘味や風味を加えた商品は注意が必要です。

注意点
- ハニー系(蜂蜜)
- クリーム系(乳製品)
- 着色料・香料
焼酎
米焼酎、芋焼酎、麦焼酎など、基本的な焼酎は米、芋、麦などを発酵・蒸留して造られ、動物性原料を使用しないのが一般的です。
ヴィーガン認証を取得した焼酎もあります。
林酒造場「極楽」
有限会社林酒造場の「極楽」は、ヴィーガン認証を取得しました。
ウイスキー (Whisky)
一般的なウイスキーは、発酵・蒸留の工程で動物性原料を使わないことが多いです。ただし、ハニー系、クリーム系などのフレーバー商品は別です。
ブランデー
原料は果実ですが、原酒段階で清澄が行われることがあるため、製法によっては注意が必要です。
ウォッカ (Vodka)
ウォッカは、穀物やじゃが芋を糖化・発酵・蒸留後、活性炭ろ過で雑味を取り除いたクリアな蒸留酒です。
アブソルート ウォッカ
【公式ホームページ よくある質問より】
アブソルート ウォッカとその製造工程はビーガンですか?
アブソルート ウォッカおよびフレーバーウォッカには動物性製品は一切含まれておらず、製造工程でも動物性製品は一切使用していません。製品自体に直接使用することも、製品のろ過に使用することも一切ありません。
南部美人 クラフトウォッカ

ラム (Rum)
サトウキビの搾りかすや糖蜜を発酵・蒸留して造られます。基本的なラムは動物性原料を使用しません。
スパイスドラムなど、後から風味を加えるものには注意が必要です。蜂蜜などが使われることがあります。
ジン (Gin)
ジュニパーベリーをはじめとするボタニカルをスピリッツに浸漬・再蒸留して造られます。基本的なジンは動物性原料を使用しません。ただし、ごく稀に風味付けで動物性のものが使われる可能性も否定できませんので、念のため確認が必要です。

テキーラ (Tequila) / メスカル (Mezcal)
アガベを原料とするため、基本的には植物由来です。
ただし、フレーバードタイプや添加物入りの商品は注意しましょう。

まとめ
お酒は植物由来に見えても、製造工程によっては動物由来成分が関わることがあります。
すべてを完璧に把握する必要はありませんが、認証を見る、製法を確認するといった小さな意識で、より納得のいく選択につながります。
お酒もまた、日常の中で無理なく取り入れられる、やさしい選択のひとつです。
「ヴィーガンとは何か」「なぜ動物性を避けるのか」を知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。
→ ヴィーガンとは?
→ ヴィーガンはなぜ食べないのか
また、日常の食事やおやつについては、こちらの記事も参考になります。
→ ヴィーガン対応の加工食品一覧
→ ヴィーガンが選ぶ市販のお菓子・アイス・飲料



