【コラム】ヴィーガンファッションは環境に良い?|命と環境は比べられるのか

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ヴィーガンファッションを考えるとき、しばしば次のような疑問が生まれます。

「動物の命を守ること」と「環境を守ること」は、どちらが大切なのだろう?

ある人は、動物の命を奪わないことを大切にします。
また別の人は、地球環境への影響を優先して考えるかもしれません。

人によって、これらの価値の優先順位は変わるでしょう。

しかし、この二つは本当に比べることができるのでしょうか。

命は数字では測れない

環境問題は、多くの場合

  • CO₂排出量
  • 水使用量
  • 森林破壊

といった数値で評価されます。

一方で、動物の命は数値で測ることができません。

たとえ環境負荷の計算ができたとしても、「一つの命」と比較することは、本質的にはとても難しいことです。

命は、一度失われると取り戻すことができない。

このシンプルな事実が、多くの人の心に残る理由かもしれません。

「対立」ではなく「循環」

「動物」と「環境」は、対立するテーマのように語られることがあります。

しかし本来、この二つは深くつながっています。

森林が破壊されれば、そこに暮らす動物たちの住処も失われます。
海が汚れれば、多くの生き物が影響を受けます。

そして今、気候変動によって多くの野生動物が住みかを追われています。

環境を守ることは、今目の前にいる家畜だけでなく、地球上のすべての命の居場所を守ることでもあります。

命と環境は対立するものではなく、本来は互いに支え合う循環の関係にあるのかもしれません。

素材にはそれぞれ課題がある

現在のファッション素材には、それぞれメリットと課題があります。

素材メリット課題
動物素材(レザー・ウール・ダウンなど)耐久性が高く長く使える畜産による温室効果ガス・水消費
合成皮革(PU(ポリウレタン)・PVCなど)動物を使わない石油由来・マイクロプラスチック

つまり、現時点では完全に理想的な素材はまだ存在しないとも言われています。

素材は進化している(素材のロードマップ)

ヴィーガン素材も、少しずつ進化を続けています。

  1. 石油由来の合成皮革
    動物を使わない素材として広がりましたが、石油由来という課題があります。
  2. リサイクル素材
    再生ポリエステルやリサイクルナイロンなど、廃棄物を活用する素材が増えています。
  3. 植物由来・バイオ素材
    サボテン、きのこ、リンゴなどを原料にした新しい素材が開発されています。

私たちは今、フェーズ1から3へと進む過渡期にいます。

完璧ではないけれど、ファッションの素材は着実に前へ進んでいます。

環境を考える「LCA(ライフサイクルアセスメント)」という視点

環境への影響を考えるとき、重要な考え方があります。

LCA(ライフサイクルアセスメント)

これは

  • 原料
  • 製造
  • 輸送
  • 使用
  • 廃棄

まで含めて、製品の環境負荷を考える方法です。

たとえば、次のような問いがあります。

本革のバッグが20年使えるのに対し、安価な合成皮革のバッグが3年で劣化して廃棄される場合、どちらが環境に良いと言えるのでしょうか?

このように、素材だけではなく「どれだけ長く使うか」も重要な視点になります。

愛着が、環境を守る

ヴィーガン素材も、ただの代替品ではありません。

手入れをしながら使い続けることで、自分の生活に馴染んでいく存在になります。

ヴィーガンレザーは水に強く、雨の日でも気負わず使えるものが多いのも特徴です中性洗剤や柔らかい布で軽く拭くだけで、長くきれいな状態を保つことができます。

手入れが簡単で長く使えること。

それもまた、ヴィーガン素材の魅力のひとつです。

そして、長く使うことこそが、環境負荷を減らす最も確実な方法でもあります。

完璧ではないからこそ、探し続ける

現在のところ、100%完璧な素材はまだ存在しないとも言われています。

しかし、

  • 新しい素材を開発する人
  • エシカルな商品を作るブランド
  • 意識して選ぶ消費者

それぞれが少しずつ未来を変えています。

ヴィーガンファッションは、完成された答えではなく

より良い未来を探し続けるプロセスなのかもしれません。

ヴィーガンスタートの考え方

人によって、環境と命のどちらを優先するかは変わるでしょう。

どちらの価値観にも理由があります。

ただ、ヴィーガンスタートでは

環境よりも、まず命を大切にしたい

と考えています。

命は、一度失われると取り戻すことができないからです。

そして同時に、命を守ることは環境を守ることにもつながると信じています。

私たちが目指したいのは、他者を奪わない生き方です。

「足るを知る」とは、何かを我慢することではなく、すでにある豊かさに気づくことなのかもしれません。

そして、足ることを知らない限り、人は本当の意味で穏やかに生きることはできないのかもしれません。

奪わずに満たされる世界を、私たちは信じています。

小さな一歩から

完璧である必要はありません。

たとえば

  • 素材見本を取り寄せて、質感に触れてみる
  • 次に買うバッグをヴィーガン素材にしてみる
  • 今持っているお気に入りの服を、あと1年長く着る

それも立派なエシカルな一歩です。

ほんの小さな選択が、未来を少しずつ変えていくのかもしれません。

「命を守る選択が、未来の環境を守る力になる。」

よくある質問

Q. 合成皮革はプラスチックだから環境に悪いのでは?

確かに、初期のヴィーガン素材には石油由来のものもあります。
しかし現在は

  • 植物由来素材
  • バイオ素材
  • リサイクル素材

など、より環境負荷を抑えた素材の開発が進んでいます。

また、長く使うことも環境負荷を減らす重要な要素です。

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