砂糖は動物性由来食品であるとは夢にも思わないのかもしれませんが、砂糖製品の製造工程では、動物の骨炭及び甲殻類から得られるキトサンが使用されていることがあります。
ヴィーガン・ベジタリアンにとっては重要なことなのですが、残念ながら仮に製造工程で動物性原料が使用されていたとしても、原材料表記を見ても記載されることがなく、私たちは知る由がありません。
ただしメーカーによっては、製造工程にて⾮動物性素材が使われていて、⾻炭の代替品には活性炭やイオン交換樹脂などが挙げられます。
なぜ、砂糖製品について2次原料(原料の原料)まで調べる必要があるの。それは日本の一般家庭においては砂糖が、基本の調味料のさしすせそ(砂糖・塩・酢・醤油・味噌)のひとつであり、料理において不可欠なものだからです。
製糖メーカーに問い合わせました…
ヴィーガンスタートでは、今回、各メーカーに直接、質問を投げかけ、回答いただき、それらを数回繰り返す中で、完全に動物由来の原料を使っていない砂糖をご紹介させて頂くことにしました。国内製糖メーカーにお問い合わせした結果は、以下の通りです。
北海道糖業
北海道糖業の砂糖製品は、動物性原料不使用!
回答(一部抜粋)
弊社砂糖製品には、業務用と一般消費者向け小袋がございます。
どちらの製品にも動物性由来物質の使用はございません。
「ほのぼの印グラニュ糖」並びに「ほのぼの印上白糖」は、一般消費者向け製品で、主に北海道内(一部少量ですが東北地区)で販売しております。
弊社砂糖製品は、てん菜を原料としており、加工助剤にも動物性由来物質の使用はございません。また、工場は砂糖専用であり、交雑汚染もございません。
弊社製品をヴィーガン/ベジタリアンの方々にご紹介頂くことは構いませんが認証等を取得しておりませんので、保証の範疇にはないことを御了解頂ければと存じます。
日本甜菜製糖
日本甜菜製糖のビート糖は、動物性原料不使用!
回答
弊社の砂糖製品は、製造工程において、動物性原料の使用はございません。(骨炭の使用もございません)しかしながら、ヴィーガンの基準は多岐にわたるため、適合の判断は弊社では行っておりません。
弊社の砂糖製品につきまして、北海道で生産されるてん菜を原料とした砂糖は、骨炭、キトサン含め動物性のものの使用はありません。
精製糖につきましては、生産委託工場であります関門製糖にて製造しておりますが、原材料は、北海道で生産されるてん菜原料糖や、鹿児島・沖縄で生産される国産甘しゃ原料糖とオーストラリア・タイなどで生産し輸入している粗糖で製造しております。
製造工場(=関門製糖)において、動物性のものの使用はありませんが、海外から輸入する粗糖に関しては、豪州・タイなど輸入地域が広範囲にわたり、生産設備や加工助剤の起源原料など、動物由来原料を把握することは困難を要するものと判断しております。
なお、てん菜を原料とした砂糖につきましては、弊社HPの商品紹介において「ビート糖」のカテゴリーにてご案内しているものとなります。
大東精糖
大東精糖のてんさいのお砂糖とVegan素焚糖(すだきとう)は動物性原料不使用!
回答
当社ではベジプロジェクトジャパン様に認定を頂いている製品
「てんさいのお砂糖」、「Vegan素焚糖」の2品目が該当いたします。
山口製糖
山口製糖のビート糖600g(粉末/顆粒タイプ)は動物性不使用!
回答
前提として、弊社内では一切の動物性原材料を使用しておりませんが、ヴィ―ガンの定義範囲について様々な考え方があると認識しており、各団体のヴィ―ガン認証は取得しておりません、予めご理解ください。
砂糖において動物性原材料を使用する場面は、
・サトウキビ原料の色抜きをする際に牛骨炭が使用される
・不純物沈殿にキトサンが使用される
この2点になります。弊社ではこれらの工程は行っておりませんので、その点では各種ご紹介可能です。
しかし、サトウキビ原料製品に関しては、原糖輸入の性質上全量追跡が困難であり、証明の取得及びコンタミの可能性を否定することができません。
※単一製造ではない原糖をバラ積みで輸入するためです。
そのため原料追跡が可能な北海道産甜菜原料100%で動物性原材料を使用せずに製糖した下記ご紹介いたします。
ビート糖600g(粉末/顆粒タイプ)
砂糖業界でも動物性原材料排除の機運は高まっておりますが、動物性のものが古くから使われている点や設備の問題から、進捗具合は芳しくありません。
弊社は白砂糖を製造しない含蜜糖メーカーとして可能な限りを尽くしてまいります。
ここまで各メーカーの回答とリンクをまとめました。
砂糖の種類と使い分け砂糖の種類
砂糖は、その色や形、用途によって様々な種類があります。以下に主な種類を紹介します:
- グラニュー糖: 細かい結晶で、一般的に最もよく使われる砂糖。料理やお菓子作り、飲み物の甘味付けに広く使用されます。
- 角砂糖: グラニュー糖を固めた立方体の砂糖。主に飲み物に使用されます。
- 白砂糖: 精製された白い砂糖。グラニュー糖と同様に料理やお菓子作りに使われますが、より繊細な結晶です。
- 黒砂糖: 精製度の低い砂糖で、ミネラルが豊富。独特の風味があり、料理やお菓子に深い味わいを加えます。
砂糖の成分
砂糖の主成分は炭水化物であり、化学的にはショ糖(サクロース)と呼ばれます。ショ糖は、グルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)が結合した二糖類です。精製度の高い砂糖は純粋なショ糖に近く、精製度の低い砂糖にはその他のミネラルやビタミンが微量に含まれます。
主な甘味料と分類
甘味料は、天然のものと人工のものに分類されます。
- 天然甘味料: 砂糖(グラニュー糖、白砂糖、黒砂糖)、はちみつ、メープルシロップ、アガベシロップなど。
- 人工甘味料: アスパルテーム、スクラロース、ステビアなど。
砂糖の使い分け
- 料理: グラニュー糖や白砂糖が一般的。黒砂糖は煮物や照り焼きなど、風味を加えたい料理に使用。
- お菓子作り: 白砂糖や粉砂糖が多用されますが、風味を豊かにするために黒砂糖を使用することもあります。
- 飲み物: グラニュー糖や角砂糖が適しています。
原料と製造工程
砂糖の主な原料はサトウキビとてん菜です。砂糖椰子や砂糖楓を原料にした砂糖もありますが、生産量は少ないです。
砂糖の主な原料と分類
- 甘蔗糖: サトウキビを原料とする砂糖。
- てん菜糖: てん菜(ビート)を原料とする砂糖。
砂糖の製造工程
- 収穫: サトウキビやてん菜を収穫。
- 圧搾: サトウキビやてん菜からジュースを圧搾。
- 煮詰め: ジュースを煮詰めて濃縮。
- 結晶化: 濃縮したシロップを冷却して結晶を生成。
- 精製: 結晶を洗浄して不純物を取り除き、白砂糖を作成。
生産と消費
世界の砂糖生産量の約80%が甘蔗糖、約20%がてん菜糖で、ブラジルとインドが2大生産国です。てん菜糖の最大生産地はEUですが、生産量は減少しています。
日本の状況
日本で消費される砂糖のうち、国内原料は30%~40%、残りは原料糖として輸入されています。
砂糖の歴史
砂糖は古代から利用されており、人類が砂糖を製造し始めたのは約4000年前とされています。砂糖の利用はインドで始まり、その後ペルシア、アラビア、ヨーロッパ、そして世界中に広まりました。日本には、16世紀にポルトガル人によって伝えられました。
砂糖の歴史を辿ることで、その文化的および経済的な影響について理解を深めることができます。
砂糖には、主に上白糖、グラニュー糖、三温糖といった種類があります。もっともポピュラーなのが真っ白い上白糖ですが、グラニュー糖は比較的軽めでお菓子づくりに。三温糖は甘みが強くコクが出るので煮物などに合います。
砂糖の製造工程
砂糖の製造工程は、サトウキビやてん菜から砂糖を抽出し、精製する一連のプロセスです。以下は、その詳細な工程です。
- 不純物を取り除く:
サトウキビやてん菜を収穫した後、洗浄して表面の泥や葉などの不純物を取り除きます。 - 温水に溶かし液体にする:
サトウキビやてん菜を圧搾してジュース(糖蜜)を抽出します。このジュースは温水に溶かして液体状にします。 - 石灰を加え炭酸ガスを入れ不純物を沈殿させろ過:
抽出したジュースに石灰を加えてアルカリ性にし、炭酸ガスを吹き込んで不純物を沈殿させます。沈殿した不純物をろ過して取り除きます。 - 活性炭などを用いて不純物をさらに取り除く:
濾過したジュースをさらに活性炭などのフィルターを通して、微細な不純物や色素を除去します。 - 液内の砂糖を結晶化させる:
清澄されたジュースを濃縮し、煮詰めて結晶化を促します。過飽和状態にすることで、砂糖が結晶化します。 - 遠心分離機で結晶化した砂糖だけを抽出:
結晶化した砂糖を遠心分離機にかけて、液体部分(糖蜜)と結晶部分を分離します。 - 乾燥・冷却して完成:
抽出した砂糖結晶を乾燥させ、冷却して完成品とします。この工程で、グラニュー糖や白砂糖が得られます。
これらの工程を経て、私たちが日常的に使用する砂糖が製造されます。それぞれの工程で不純物が除去され、純度の高い砂糖が得られるため、品質の良い製品が出来上がります。